どんと来い!
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DATE: 2006/04/30(日)   CATEGORY:
星空を賛歌に。
日暮の頃、晩御飯の買い物を終え、僕は家路を急ぐ。
のんびりと歩いているといつの間にか夕闇に包まれていた。
ふと後ろを振り返る。
素敵な尾行者がついてくる。

「お前の狙いはこれなのかい?」

問いかけてみるも答えは無い。
彼はニャンと鳴くだけだ。
でも僕は何もあげることが出来ない。

「お前にあげられるのはこの寂しさだけだ。それでもいいならいるかい?」

彼はまたニャンと鳴く。
果たしてその彼の言葉の意味するものは解らないが、ぷいっと方向を変えた。
どうやら僕は彼の機嫌を損ねてしまったらしい。

「そっか、お前も寂しいのか」

僕は彼を抱き上げた。
またニャンと鳴く。

「ほら、行きな」

彼を放した。束縛から解放され、自由の身になったのだ。
ここで僕に一つの不安がよぎった。
帰る場所はあるのだろうか?
お母さんはいるのだろうか?兄弟はいるのだろうか?

この広大な大地で独りというのは耐え切れないものがある。
誰もが知っていることだけど、彼はまだ知らないのだろう。
もしかすると今から永遠に独りで生きていかなきゃいけないかもしれない。

しかし最初から孤独な彼は「孤独」の意味を解らないのかもしれない。
果たしてそれがいいことか悪いことか。
その答えに正解はない。彼が見つけるべきものである。

そして僕はまた歩き出した。
ふと空を見上げると星が瞬いている。
星は独りで輝いているのに寂しくないのだろうか。
あの光は寂しさのメッセージかもしれない。

後ろで微かな鳴き声が聞こえる。
後ろを振り返る。
さっきの彼が、友人と思われる仲間とジャレていた。
良かった。お前は独りじゃない。
この空の輝きを賛歌に僕は家へと帰り着く。

温かい風が吹いていた。
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