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DATE: 2008/12/05(金)   CATEGORY:
家畜人ヤプー。
「家畜人ヤプー」

これを聞いて何を想像するでしょうか?
なんかゆったり、まったりした作品?
なんせヤプーだしね。

で、そう思った人はこの先を読まないこと。
そして今後一切ヤプーという言葉は忘れてヤフーだけ覚えとけば大丈夫です。

くれぐれも朝とか電車の中とかで読まないでね。


「家畜人ヤプー」の作者である沼正三は覆面作家であり、それが誰なのかは様々な議論があるので、それに関しては流す。
誰が書いたかよりも何が書かれているかを重視しよう。

漫画版はちょっとヤプーについての書かれ方とかに違和感を感じるので、ちょっと除いて、活字のほうで。


「ヤプー」という響きに惹かれ、今でいうところの「へろへろくん」のように、なんかゆるい作品だろうと思って図書館で借りた17歳。
当時、確か文庫版が新たに出され、話題となっていた。
表紙を見ればタダモノでは無い作品だと解るけども、それ以上に「ヤプー」という響きが僕を惹きつけた。
そして、それが私とアングラとの出会いとなったのでした。


というわけで、こっから先は10代及び性への目覚めやら特殊な性癖などに興味が無い人はここで完結です。
内容とかちょっと詳しく書いてても大丈夫な人は右下「MORE」からどうぞ。
「家畜人ヤプー」
簡単に言うと長編SF及びエログロSM小説。
どちらの目線で読むか。
いや、どっちの目線で読んだとこでその内容は目を瞑りたくなるくらいなのだが・・・。

まず主人公は日本人の男性。そして彼女はドイツ人。
そんな2人がタイムマシンと遭遇。
当然、そこに乗っていたのは未来人。
未来においては、

白人は貴族で神たる存在と平民がいる。(未来では彼らのみが人間である)
黒人は奴隷。(ただ、半人間として認められてはいる)
そして日本人(他の黄色人種は絶滅)は家畜。(これがヤプーって呼ばれてる)

だから
日本人は人間じゃないわけだ。
未来から来た人たちからすると、家畜と貴族が戯れていることとなり、彼らから見ると、獣姦。
こりゃこりゃ治してあげなきゃということで未来に連れて行かれる2人。
で、未来では人種差別が徹底されているため、ドイツ人である彼女は貴族になり、主人公はヤプーとなる。
ヤプーは人間ではないのだから、生体手術(去勢やら四股切断やら)をされ、様々な用途に使われる。
ここで敢えて「用途」と言ってるのは人間ではないからね。
ヤプーによっては「食用」だったり、「便器代わり」だったり、「自慰用」だったり、「生きた家具」だったり、当然馬のような畜人だったり、様々。
あんまし細かく書くと書きながら僕が吐いちゃうから自粛。
「子宮畜」なんていう、白人の代わりに出産を行うヤプーまで存在する。
もうね、扱われ方がホントひどい。

ここら辺が、現代における家畜である牛や馬などとは違って同じホモサピエンスであるということの利点(?)か。
ただ、これも要注意なのはヤプーはホモサピエンスではなく、類人猿に分類されている。
だから日本人はヒトではなく猿です。

で、すごいなぁと思うのが、決してその支配を恐怖で行っているわけではないということ。
ヤプーが悦びを感じるように脳を改造して飼育(躾?)している。

(ちょっと詳しく書いてるから反転させてます。苦手な人はスルー)
前述の「肉便器」でいうと、そういった用途のヤプーは白人の便器代わりであり、口を大きく改造されていて、そこに排泄をする。そしてその排泄物が肉便器ヤプーの食料である。
だので、苦痛としてそういった行為をさせられてるわけではなく、彼らにとっては悦楽であり、馳走である。
とかそういうふうなこと。気持ち悪いよね。

(はい、ここまで。)


だから、んもうヤプーにとっては読み手から感じる痛みだったり、陵辱だったりするもの全てが悦びであり、究極のマゾヒズムだということ。

まぁ、そういった肌の色でヒトをヒトとして扱わないことに全く違和感を覚えない、白人の特殊な風俗というか性癖というか、そういった性的倒錯がこの作品のひとつの醍醐味か。

あ、ちなみにこの作者が戦時中捕虜となり、様々な性虐待を受けたことがこの小説を書く契機となってるらしいです。


ただ、この作品がただのSM小説ではないのは、その世界観がすっごい緻密だということ。
だからエログロなだけではなく、SF小説としての面白みも充分ある。


たとえば、未来世界の描かれ方がとてもリアルである。
女性が統治している世界であるということ。
男性は化粧やら無駄毛処理やらに追われている。
で、他にも今の日本人は未来人が過去に日本列島「邪蛮(jaban)」に投下したヤプーの末裔であるということ。
ヤプーの末裔が今の日本人であり、そして近未来にヤプーとなる。
このあたりから、わけが解らなくなってくるんだけども、それはそれで面白い。
そして、天照大神は実は未来から来たドイツ人であるなんてとんでもない話。

なんだろうなー。
「読んでくれ」としか言えないのだけども、通常のSF小説とは違うあまりに豊かな発想に驚かされる。
そして「JAPAN」が「邪蛮(ジャバン)」から来ているという言葉遊び。
なんで?漢字じゃん!とかいう突っ込みはスルーで。
こういった言葉遊びが多いのもこの小説の特徴。

で、こういった特殊な世界に連れて来られた主人公・麟一郎がどういった変化を遂げていくのかというところも一つの読みどころかなと。
改造されているとは言えども、人間の中に元来存在しているであろう(性的嗜好ではなく、精神的嗜好としての)マゾヒズム、そしてサディズム。
それが如何に開花していくか。
それは麟一郎のマゾヒズムもそうだし、彼女であるクララのサディズムもそう。
この2人、元々は麟一郎の男らしさにクララが惹かれていたわけだが、未来における立場の違いから、クララは段々麟一郎をヤプーとして扱うことに疑問を持たなくなったり。

性的なものだと思わず、そういった環境における、扱いの変化という点で読んでも面白い。

そういった点で、団鬼六とはまた違ったSM小説だと思う。

僕は夢野久作の「ドグラ・マグラ」よりも読みやすいと思うよ。
・・・まぁ、どっちもキチガイ小説だけどね。
でもドグラマグラとはまた違った重たい後読感が付き纏う。

それを好んで読むのはドSだと信じて疑わない僕の中に精神的なマゾヒズムが存在するということか。
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